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よくある質問 etc.
−目次−
コーヒー取引
フェアトレードコーヒー
コーヒー生産における環境問題

【コーヒー取引編 ※数字は2002年時点での数字になります】

Q.世界中でどれくらいの小規模コーヒー生産者がいるの?
A.おおよそ2000万〜2500万人
フェアトレードコーヒーの認証制度が対象としているのは、都市から離れた遠隔地や山の中の多く住む小規模コーヒー生産者になります。世界にはおおよそ2000万〜2500万人もの小規模コーヒー生産者がいるといわれており、一億人もの人々に生活の手段を提供していると言われています。単純計算すると地球上の約62人に一人の割合でコーヒーに多かれ少なかれ関わっているということになります。世界のコーヒーの約半分から70%が小規模コーヒー生産者によって産出されているといわれています。フェアトレードコーヒー認証リストに登録されているコーヒー協同組合には、2002年には世界中で約67万人が属しているといわれています。

ちなみに世界のコーヒー総流通量の約半分を5社の多国籍企業が占めているといわれています。
Q.多くの国が国の経済をコーヒーに頼っていると聞いたけど?
A.はい

アフリカにあるブルンジが79%もの外貨をコーヒーに依存しているのをはじめ、その他多くの国が外貨獲得の多くの割合をコーヒーに頼っています。
・ エチオピア:54%
・ ウガンダ:43%
・ ルワンダ:31%
・ ホンデュラス:24%

ホンデュラスでは国の人口の10%、その隣のグアテマラでは人口の7%がコーヒー生産にかかわっているといわれています。日本の人口の10%は約1200万人と考えると、とても多い数字です。

Q.コーヒーの価格が低迷しているって聞いたけど本当なの?それはなぜ?
A. 本当です。

ここ数年は50円-85円/454gという記録的な低価格が続き、多くのコーヒー生産地では、生産コスト以下の価格でしか生産者はコーヒーを売ることができません。オクスファムの報告によると、世界で最もコーヒー生産コストが低い国の一つといわれているベトナムでさえ、地域によってはコストの60%しか生産者は受け取ることができないそうです。現在、世界では消費量よりも8%多いコーヒーが生産されているといわれており、コーヒーが余っていることが価格低迷の大きな理由の一つです。

※ 数値はニューヨークの先物市場におけるアラビカコーヒーの価格(Cプライス)の推移
※ 1ポンド(lb)=約454g 
※ フェアトレード保証価格:$1.26/lb
持続可能な農業を支える為に、フェアトレード認証基準においては認証オーガニックコーヒーに$0.15/454gがフェアトレード保証価格に加算されます。
表作成協力:グローバルビレッジ
Q.小規模コーヒー生産者の生活が貧しいって本当?それはなぜ?

A. ほとんどの小規模コーヒー生産者が生活に必要な基本的なニーズ、衣食住、保健医療、教育が満たされていないといわれています。コーヒーを売る市場へのアクセスが無いために自分自身でコーヒーを売ることができず、中間業者の言い値でコーヒーを売らざるを得ない状況が多く存在します。(中米の多くの地域では、現地の中間業者は「コヨーテ」と呼ばれています。)同時に、現在起こっている国際コーヒー価格の低迷により、生産コスト以下の価格しか受け取ることができない状況が多く存在します。その結果、借金を支払う為に農地を売り、地方から都会に人が流入している状況も聞かれます。
コーヒー農園を放棄し、食料と仕事を求めてマタガルパへ向かうコーヒー生産者とその家族

2001年9月23日 ラ・プレンサ紙 ニカラグア

以下、ホンデュラスの経済紙の掲載されていたコーヒーに関する記事の抜粋です。

「なぜコーヒー生産者は貧しいのか」 
(Porque Majoria de Cafetares son pobles)
エル・ヘラルド紙(ホンデュラス) 2000年3月23日
ホンデュラスのコーヒー生産者は一般的にこのよう言われている「コーヒー生産者は富を生む。しかし、貧困を統治している。」これは、コーヒー生産者は国の輸出品の大部分を生み出し、外貨獲得に大きな役割を果たしているにも関わらず、多くの生産者は長い間社会経済的にとてもひどい生活条件で生きてきていることを表す・・・・

・・・・公式データによると、コーヒーはホンデュラスにある18の県のうち15もの県で経済的に非常に重要な作物として栽培されている。[この国では]8万人もの生産者と約50万人もの人たちが直接的、間接的に生活をコーヒー生産に頼っている・・・・

・・・生産者の貧困状況は以下のことからわかる。この国のコーヒー生産者が住んでいる地域は水道も無く、診療所も無く、電気も無い。そこには小学校はあるが、先生が不足しており、教育は十分ではない・・・

・・・・彼ら[コーヒー生産者]が貧困である原因の一つは、とても低い収入しか手にすることが出来ないということである・・・・

・・・・小規模コーヒー生産者はどのように農地を耕し、コーヒーを生産するかは知っているが、どのようにコーヒーを売るかは知らないということが問題なのである。「つまり、仲買人と輸出業者だけが、コーヒーの取引を通じて豊かな生活を手にいれることが出来る」のである。約77%ものコーヒーが仲買人を通して売られていると見積られている・・・・

・・・・もう一つの問題は資金不足の為に、生産者が仲買人の搾取の対象にされているということである。[搾取的な]仲買人は時には肥料などを非常に高い値段で生産者に売りつけ、コーヒー豆を購入する時点では[少ない金で多く買い取るために]法的に決められている[コーヒーの収穫を計る]箱よりも大きな箱を使うこともある・・・・

・・・・小規模生産者は何度も何度も虐待的な仲買人によってだまされてきた。よって、彼らは国の富の多くを生み出しているにもかかわらず貧困にひれ伏さざるを得ないのだ・・・・

・・・コーヒーセクターにおける[生活向上のための]開発の多くの障害は、非常に不安定な国際市場におけるコーヒー価格にも関係している・・・・。

【コーヒーセクターにおける問題】

・ 非常に不安定な国際コーヒー価格
・ 財源の不足:小・中規模生産者は担保が無いことと、高い利率のために銀行の融資を受けることができない。
・ 技術の不足:輸出業者や加工業者から栽培技術などの支援が殆ど無く、それが品質の低下につながっている。さらに、農園の現場レベルでのコーヒー加工設備の不足、高い輸入農薬や肥料、収穫システムが確立されていないことも品質の低下に影響を与えている。
・ インフラストラクチャーの不備:これはコーヒー生産地における道路の建設や修繕に、政府が取り組まないことによる。また都市間の不十分な交通インフラも影響をあたえている。

※翻訳/文責:フェアトレーディング 林口宏


【フェアトレードコーヒー編 ※数字は2002年時点での数字になります】
Q.フェアトレードコーヒーって?

A. 民主的に運営されている小規模コーヒー生産者によって構成された協同組合から"直接"購入されたコーヒーです。 実際にコーヒーを作っている生産者が、労働や産出したコーヒーの品質に"見合った価格"を通して、生活に必要なお金を手にしていることを意味します。

本当に良いものに対して、それに見合った対価を手にする、物の本来の取引の形です。フェアトレードにおいて、主な規準は下記のようになります。

・ 直接取引(Direct Trade:小規模生産者の市場へのアクセス)
・ 公正な価格(Fair prices)
・ 融資へのアクセス(Access to affordable credit)
・ 持続可能な農業(Sustainable agriculture)
Q.国際コーヒー価格が下がっている場合、フェアトレード価格はいくらになっているの?

A.$1.26/lb (約151円/454g)

例えばフェアトレードの認証システムにおいては$1.26/lb(約151円/454g)という最低保証価格を持ちます。どれだけ国際コーヒー価格が下がっても、生産者とその家族の生活を守る保証価格が直接現地のフェアトレード協同組合に支払われます。現在のように価格がどれだけ下がっても、生活ができるお金を手にすることができるので、安心して高品質のコーヒー栽培に取り組むことが可能になります。認証オーガニックコーヒーの場合は、別にプレミアムが上乗せされ、$1.41/lbが最低保証価格になります。

また、国際価格が上昇した場合は、その価格に$0.05が上乗せされて、現地の協同組合に支払われます。

フェアトレードコーヒー最低保証価格
(注:Fair Trade Labelling Organization International の基準)
  従来型 認証オーガニック
中米/メキシコ/アフリカ 南米/カリブ 中米/メキシコ/アフリカ 南米/カリブ
アラビカ(ウォッシュド) 1.26 1.24 1.41 1.39
アラビカ(アンウォッシュド) 1.20 1.20 1.35 1.35
ロブスタ(ウォッシュド) 1.10 1.10 1.25 1.25
ロブスタ(アンウォッシュド) 1.06 1.06 1.21 1.21
Q.コーヒー生産コストはどのくらい?
A.地域差や生産方法によって異なるので一概には言えませんが、イギリスのフェアトレード会社、イークオルエクスチェンジによると、約72円-78円/454g以下になるとコーヒー生産を十分に行うことができないそうです。2000年から2001年のフェアトレーディングの現地調査では、コスタリカでは約80.4円、ニカラグアでは約48円や69.6円という価格が聞かれました。上記の表を見ると、国際価格の時点で既に生産コストを割っている場合があることがわかります。
Q.フェアトレードコーヒー価格は現地でどのくらい効果があるの?

A.フェアトレードでないコーヒーと比べて3倍以上の価格を手にできる例もあります。
2001年2月に、ニカラグアのあるフェアトレード協同組合が生産者に支払うことができた価格と、その他のコーヒー生産者が手にしていた価格です。
1パウンド(454g)あたり

・ フェアトレードコーヒー生産者:約93.6円
・ その他の生産者が従来の取引から手にすることができた価格:約24円-30円
※この時期の国際コーヒー価格:約73.2円-80.3円
実際に手にできる価格差は約3倍から4倍近くの価格差があります。また、コーヒー生産国に届く前のコーヒー価格が既にフェアトレード価格以下であることもわかります。

生活に十分な価格を手にする事によって、子供たちへの教育の提供や生活環境の改善などにも繋がる事になります。

Q.フェアトレードコーヒーは環境に優しいの?
A.はい
フェアトレードの条件の一つは、環境に負担をかけず、持続可能な方法を推進することです。フェアトレードコーヒーと森の関係に関しては「森を守ろう」ページをご覧になってください。
Q.フェアトレードコーヒーはすべて有機栽培なの?
A. いいえ

フェアトレードコーヒー=有機栽培ではありませんが、世界の認証オーガニックコーヒーの40%-50%がフェアトレード認証のリストに登録されているコーヒー協同組合によって産出されているといわれています。また80%-85%のフェアトレードコーヒー生産者は農薬をほとんど、もしくは全く使用していないといわれています。

また、持続可能な農法を促進する為、フェアトレード認証制度は認証オーガニックコーヒーに対して約4円/100gの有機栽培価格をフェアトレードの保証価格に上乗せしています。

Q.フェアトレードコーヒーって高いの?

A.必ずしも高いとは限りません。下の数字は、アメリカスペシャルティコーヒー業界で調査された、それぞれの認証によって上乗せされる店頭価格の平均です。(454gあたり)
・ オーガニック   59?(オペレーションごとに料金がかかる)
・ フェアトレード  62?(認証団体:トランスフェアUSA。このうち10?/454gが認証料)
・ シェードグロウン 53?(認証団体:SMBC。このうち25?/454gが認証料。)

数字からわかるように認証オーガニックなどに比べてみると、フェアトレードがそれほど高いわけではありません。他の認証と比べて多少高い数字になっているのは、最低保証価格が存在しているからといえます。

Q.フェアトレードコーヒーはどのくらい広まっているの?

A.スイスのフェアトレードコーヒーは国内市場の5%を占めているといわれています。

イギリスのフェアトレードコーヒー会社であるカフェダイレクト社は、イギリス国内コーヒー市場の数パーセントを占めているといわれており、粉コーヒーだけなら7%を占めているという報告もあります。

フェアトレード認証マークの認知度は、ドイツでは消費者全体の30%、イギリスでは50%、オランダでは90%以上になるといわれています。

世界の1/4のコーヒーを輸入するアメリカでは、流通しているコーヒーの0.20-0.27%がフェアトレードコーヒーであるという報告があります。2003年には全米1万店舗以上でフェアトレードコーヒーを購入することができるといわれています。

Q.海外ではフェアトレードコーヒーが公共の施設や大学キャンパスでも飲まれているって本当?

A.欧州委員会やアメリカ連邦議会内にもフェアトレードコーヒーが導入されています。またサンフランシスコやバークレーなどを始め全米の多くの市議会でフェアトレードコーヒーを支持する決議がなされています。2001年には全米の200以上のも大学でフェアトレードコーヒーが取り入れられているそうです。

【コーヒー生産における環境問題編 ※数字は2002年時点での数字になります】
Q.コーヒー生産に化学薬品をいっぱい使うって聞いたけど??
A.一般にコーヒーはコットン、タバコについで単位面積あたり3番目に農薬や化学肥料などの化学薬品を使う農作物だといわれています。
Q.機械化されたコーヒープランテーションの拡大が環境に与える影響は?

A.以下のような被害が報告されています。

・ 熱帯雨林の破壊
・ 生物多様性の破壊
・ 農薬汚染
・ 土壌流出
Q.プランテーションは生物多様性に深刻な影響を与えるって聞いたけど、どういうこと?
A.単一樹種コーヒー栽培のプランテーションは「生物学的砂漠(Biological Dessert)」と呼ばれるくらい、野鳥や野生生物たちが住みづらい環境です。一方で、森と共生した伝統的なコーヒー栽培における野生生物の多様性は、熱帯雨林に匹敵するものがあるともいわれています。
【写真:sun coffee farm】 【写真:coffee forest】
Q.オーガニックコーヒーは消費者の健康に良いって聞いたけど、本当?
A.オーガニックでもそうでなくても私達の健康への影響は変わりません。
従来型のコーヒー生産で農薬は大量に使用されていますが、コーヒーの実に包まれているコーヒーの実までは届いておらず、何段階もの加工を経て私達が口にする際には農薬などはほとんど残っていないといえます。従って、私達消費者の健康には影響がないといってもよいでしょう。よって「有機栽培のコーヒーは、私たち消費者の健康に良い」というセールス上のうたい文句は当てはまらない事になります。しかし、言うまでも無く、コーヒー生産に関わる人たちの健康に与える影響は甚大で、現地では吐き気などの体調不良から皮膚がんまで様々な健康被害の報告があります。
Q.農薬の自然界や現地の人々に与える影響はどのようなものがあるの?
以下のようなものがあります。

農薬が与える被害例

【自然環境に対して】

河川や湖における水質汚染
土壌微生物へのダメージ
生態系(動植物)の急速な破壊
野生動植物の生殖異常
河川の富栄養化
浸食
環境中への残留
大気汚染
雑草や昆虫の耐性化
オゾン層の破壊

【人々の健康に対して】

頭痛
消化器系の疾患
目・皮膚への刺激
呼吸器系疾患
不妊
ガン
農薬中毒死

Q.コーヒー栽培・生産が熱帯雨林に与える影響は?
A.熱帯雨林破壊の原因の2番目がコーヒーのプランテーションの拡大を含むコーヒー生産にあるという報告があります。機械化による大規模なプランテーションコーヒー栽培の拡大や、コーヒー豆を乾かしたりする燃料の採取など、従来型のコーヒー生産が森に与える影響は大きいといえます。フェアトレードの規準においては原生林からの木は使用しないことや植林を進めることなど、持続可能なコーヒー生産をサポートしています。
Q.熱帯雨林伐採が野鳥に与える影響は?
A. シベリアで繁殖し、日本で冬を越す渡り鳥のように、中南米の熱帯雨林も多くの渡り鳥達の越冬地になっています。鮭がいつも同じ川に帰ってくるように、鳥によっては、毎年まさに自分の木に帰ってくる場合もあるそうです。木陰のないサンコーヒー(sun coffee)プランテーションでは、シェードグロウン栽培のエリアに比べて半分の種類から、94-97%も少ない種類の野鳥しか存在しないという報告もあります。
Q.コーヒー生産に使われる農薬は日本では禁止されているものもあると聞いたけど・・・?
A. はい
コーヒー生産国では、先進国で禁止されているDDTやマラチオン等毒性の強い農薬が使用される場合も多く存在します。
《Resources》
・ MUGGED Poverty in your coffee cup: Oxfam International 2002
・ Coffee with Pleasure: Laure Waridel, Black Rose Books 2002
・ Pursuing Sustainability in the Coffee Industry: L. Rowledge, Ph.D. EKOS International 2002
・ フェアトレーディング中米現地調査: 2000-2001
・ The ECO-O.K. Action Kit: Rainforest Alliance 2001
・ Sustainable Coffee Survey of the North American Specialty Coffee Industry: Daniele Giovannucci. July 2001
・ TransFair USA 2001 Annual Report
・ The Coffee Book: Nina Luttinger and Gregory Dicumm, The New Press 1999
・ Sustainable Coffee at the Crossroads: Paul Rice, Jennifer McLean. Consumers Choice Council, 1999
 
FLO (www.fairtrade.net), Global Exchange (www.globalexchange.org),  Equiterre (www.equiterre.qc.ca), Equal Exchange (www.equalexchange.co.uk)
有限会社フェアトレーディング Fair Beans